日本モリマーグループではメディカル事業の拡大を目指し、合同会社ジーンメトリックスを２０１７年に設立、奈良先端科学技術大学院大学疾患ゲノム医学講座（寄附講座２０１７−２０１９年）で加藤菊也教授（現在合同会社ジーンメトリックス分子遺伝学研究室主宰、元大阪府立成人病センター* 研究所長）の研究をサポートしてきた。奈良先端科学技術大学院大学での発明をもとに、株式会社DNAチップ研究所は次世代シークエンサー技術による遺伝子パネル検査「肺がんコンパクトパネル」（正式名称：肺がんコンパクトパネル® Dxマルチコンパニオン診断システム）を開発。「肺がんコンパクトパネル」はコンパニオン診断として承認された国内産初の遺伝子パネル検査である。

日本モリマーグループでは合同会社ジーンメトリックスが株式会社DNAチップ研究所と「肺がんコンパクトパネル」事業で業務提携を行い、2022年に共同で神奈川県川崎市に新ラボラトリーを開設、2023年に4遺伝子による診断を開始。2024年1月に3遺伝子を追加した7遺伝子での診断が承認され、精度の高い肺がんパネル診断として医療界から大きく期待されている。合同会社ジーンメトリックスでは検体を安定的に保管・輸送できる「GM管」の生産・提供も行っており、「肺がんコンパクトパネル」事業をバックアップしている。今回の７遺伝子の承認で数十億円の事業規模が期待できる。

*：大阪府立成人病センターは現在の大阪国際がんセンター